猪熊弦一郎《家を作る》1987

猪熊弦一郎展 ホームタウン

Genichiro Inokuma: Hometown

2024年10月12日(土)-2025年1月13日(月・祝)
休館日:月曜日 (ただし2024年10月14日、11月4日、2025年1月13日は開館)、2024年10月15日(火)、11月5日(火)、12月25日(水)ー31日(火)

会期

2024年10月12日(土)-2025年1月13日(月・祝)

休館日

月曜日 (ただし2024年10月14日、11月4日、2025年1月13日は開館)、2024年10月15日(火)、11月5日(火)、12月25日(水)ー31日(火)

開館時間

10:00-18:00(入館は17:30まで)

主催

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団

料金

◎観覧料
一般 300円(240円) 大学生 200円(160円)、高校生以下または18歳未満・丸亀市内に在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
*( )内は20名以上の団体料金(企画展料金は別途)
*11月23日(土・祝)は開館記念日のため観覧無料

◎概要
同時開催の企画展「ホーム・スイート・ホーム」にちなみ、本展では画家、猪熊弦一郎にとっての「ホーム」とは何かをその表現のうちに探ります。

【香川―東京】
猪熊弦一郎は香川県に生まれ育ちました。旧制中学を卒業後上京し東京美術学校へ進学、親元を離れてまもない学生時代には、時折、故郷にまつわる絵を描いています。最初の夏休み、帰省中に病を得た猪熊は、一年間の休学を余儀なくされました。《少年》は、休学中に丸亀の島で出会った松葉杖の少年にヒントを得て描いた作品です。《風景第二作》と《残暑》はどちらも大学3年の夏に、帰省する猪熊のために父親が庭に植えてくれたひまわりを描いたものです。
その後十年ほど経て描いた《小豆島オリーブ園》では、当時の日本ではまだ珍しかったオリーブの木に異国情緒を覚え、慣れ親しんだ瀬戸内の海を、新たなモチーフとしてフレッシュにとらえています。

【パリ―東京】
1938年、35歳の猪熊は念願のパリ遊学を果たします。憧れの地で、市井の人やその暮らしぶりを精力的に描きますが、翌年に第二次世界大戦が勃発、戦火が激しくなった1940年にパリ滞在を切り上げました。帰国の年に描いた《不安の日》に戦場は描かれていませんが、画面左にある小さな家と窓から出ている煙が、かえって不穏な空気を漂わせています。
自由な表現が規制されていた戦時下の日本においては、鉛筆や単色のインクで疎開先での日常を淡々とスケッチしました。終戦からひと月ほど経った1945年9月20日のスケッチには色彩が戻っています。あたたかい色調に、再び訪れたおだやかな時間の流れが感じられます。

【ニューヨーク―ハワイ】
1955年、パリに向かう途中で立ち寄ったニューヨークに魅了された52歳の猪熊は、突如ニューヨークでの生活をスタートしました。それを機に、画風が具象から抽象へと一気に変化します。当初は埴輪や歌舞伎といった母国に連なる主題をしばしば選びましたが、新天地がホームタウンとなるにつれて、ニューヨークの街を主題に描くようになりました。当時、向かいに住んでいた写真家の奈良原一高(1931-2020)が、猪熊の住居の窓を撮影しています。
20年間のニューヨーク生活の後は、東京とハワイを行き来するようになります。明るくて自然豊かなハワイに感化され、猪熊の画風は、より明るくのびやかになりました。
自らの生活を大切にしていた猪熊弦一郎は、生活への視点をもって芸術のあり方を考えていました。そのため、生活の場が創作に強く影響し、拠点を移すたびに画風が変わっていったのです。

1. 猪熊弦一郎《丸亀の歌》1985
2. 猪熊弦一郎《母の像》1924
3. 猪熊弦一郎《アトリエの静物》1929頃
4. 猪熊弦一郎《小豆島オリーブ園》1934
5. 猪熊弦一郎《自動車の中の家族》1938
6. 猪熊弦一郎《Kabuki No.1》1956
7. 猪熊弦一郎《家を作る》1987
8. 猪熊弦一郎《楽しい家族》1989
9, 10. 展示室A

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